「転職したい」「こんな会社辞めてやる!」と思っても、いざとなるとなかなか転職に踏み切れないものです。
転職することに罪悪感を感じてしまうと、自分の気持ちより後ろめたさの方が先行してしまいますよね。
もし良い会社に誘われていたとしても、「ここで抜けたら裏切り行為かな…」と考えると、そう簡単に転職できないでしょう。
「本当に転職していいのかな?」
「やっぱり罪悪感が強い…」
「こんなに罪悪感を感じるなら転職は辞めるべき?」
転職時の罪悪感によって生じる悩み・葛藤を解消するにはどうすればいいのか?様々なヒントをご紹介します。
転職に罪悪感を感じる理由
そもそもなぜ転職に罪悪感を感じてしまうのでしょうか?
ここでは転職に罪悪感を感じる主な理由を4つまとめてみます。
雇ってくれた恩がある
自分を雇ってくれた・育ててくれたという背景があると、転職に罪悪感を感じやすくなります。
つまり会社に対する恩義ですね。
「せっかく歓迎してくれたのに自分の都合で辞めるなんて裏切りでは…?」
そう思えば思うほど、自分が恩知らずの人間に思えてしまうのです。
上司や先輩に良くしてもらった
会社だけではなく、上司や先輩に恩義を感じるケースも多々あります。
「とてもお世話になっておいて転職なんて…」
「あれだけ親身に仕事を教えてくれたのに悪いな…」
上司や先輩から良くしてもらうと、後ろ髪を引かれる思いになるでしょう。
他の同僚に迷惑がかかってしまう
誰かが辞めれば、当然その分の仕事が他の誰かに降りかかります。
そのため「他の同僚に迷惑が掛かってしまう」として、罪悪感・申し訳なさを感じる人も多いです。
責任感が強い人、あるいは良心的な同僚が多い職場だとなおさら罪悪感を感じてしまうでしょう。
隠れて転職活動をすることが後ろめたい
転職する場合、会社に内緒で転職活動を行うことがほとんどです。
この「会社に内緒で進める」という行為に対し、罪悪感を覚えることもあります。
もちろん、自分のプライベートな時間を転職活動に充てること自体は何の問題もありません。
ただ水面下で行うことに変わりはないため、「なんだかコソコソしてて嫌だな…」と後ろめたく感じてしまうのです。
転職時の罪悪感によって起こる問題点・注意点
会社に対して引け目を感じたままでは、転職活動をスムーズに進めることができません。
そこでここでは、転職時の罪悪感によって起こる問題点・注意点について解説します。
「転職活動を辞めよう」と考えてしまう
転職に対する罪悪感・裏切りの気持ちが強いと、どうしても心に迷いが生じやすくなります。
すると自信がなくなり「やっぱり転職なんて止めた方がいいのかな」と思ってしまうことも…。
また迷った末に誰かへ相談した結果、「考え直したら?」「もっと頑張って」と説得されることもあるでしょう。
罪悪感が強い状態でそんな風に引き止められたら、なおさら止めた方がいいんだと感じてしまいますよね。
あまりに罪悪感が強いと、「転職する」という根本的な部分が揺らいでしまうのです。
常に悩み続けてストレスがたまる
「転職したい…でも罪悪感が…」
そんな葛藤に悩まされ続けると、当然ストレスもたまっていきます。
そもそも転職を考えるのは、その会社に対し何かしらの不満(ストレス)を感じているからでしょう。
つまり今の会社で仕事をしているだけで、かなりのストレスがかかっているわけです。
そこに転職絡みの精神的なストレスも重なったら、心身ともに調子を崩してしまいます。
それこそ転職どころではなくなってしまうかもしれません。
転職の罪悪感により悩んでしまう気持ちはわかります。
しかし常に悩み続けると大きなストレスになるので、くれぐれも注意してくださいね。
罪悪感を感じていても転職すべき理由
転職に罪悪感があると、本当に転職して良いのか考えてしまうものです。
それと同時に「誰か転職を後押ししてくれないかな?」とも思うでしょう。
自分の中で納得できる理由がひとつでも生まれれば、転職に対する決心がブレにくくなります。
そこでここでは、罪悪感を感じていても転職すべき理由を見ていきましょう。
日本には「職業選択の自由」がある
日本では「職業選択の自由」が憲法で認められています。
すなわち選ぶ職種や辞めるタイミングも、全て本人の自由です。
もちろん「最低限迷惑を掛けないようにする」というマナー・モラルは必要ですよ。
しかしそれさえ守れば、あとは辞めるも転職するも全て自由なのです。
実際は何も悪いことなどしていません。
多少罪悪感を感じても、堂々と自由に転職活動を進めていきましょう。
あなたが転職しても会社は回り続ける
「同僚に迷惑が掛かってしまうかもしれない」
「自分がいなくなることで仕事が滞ってしまうのでは?」
など、色々なことが心配になりますよね。
しかし現実的には、あなたがいなくなっても確実に仕事は回っていきます。
もちろん、全く誰にも負担を掛けない…というのは難しいでしょう。
ただ、その場合は上司やマネージャーなど、全体をまとめる立場の人が上手に取り仕切ってくれます。
一人欠員が出ることで多少予定が崩れても、うまく調整すればいくらでも修正可能です。
そしてまたいつものように、当たり前に仕事が回っていきます。
(逆にそれができないような会社は問題です)。
…自分がいなくても会社は回る、なんだか少々寂しい気もしますが(笑)ホッとするのも事実ですよね。
誰か一人が転職しても仕事は滞りなく回っていくので、気にせず転職活動を進めましょう。
苦渋の選択・決断も必要!
会社側に恩義を感じる気持ち、これもわかります。
しかし実際のところ、会社と従業員の関係性はドライでシビアです。
例えば業績が悪化すると、ほとんどの会社は人員削除に動きます。
つまり従業員がいくら嫌だと言っても、リストラに踏み切ってしまうわけです。
逆に「従業員に申し訳ないから」と決断しないままでは、業績悪化で会社そのものが倒産となるでしょう。
ドライでシビア、そこには苦渋の選択・決断も多く含まれます。
これは会社側だけではなく、従業員側からしても同様です。
もちろん恩義を感じること自体は悪いことではありません。
ただ、仕事においては会社・従業員ともに選択や決断が必要なこともあるのです。
自分の今後を考えた際に「ここで決断すべきだ」と感じたら、多少罪悪感を覚えても転職すべきでしょう。
「罪悪感」より「後悔」の方が勝る
会社に対する罪悪感、会社に残ることで生じる後悔。
この2つを天秤にかけた時、どちらの方が重くなるでしょうか?
もし罪悪感より後悔の方が勝ったら、迷わず転職するべきです。
例えば今の仕事を続けた結果、体調を崩してしまったらきっと後悔するでしょう。
「あの時転職していればこんなことには…」と思っても後の祭り。
会社も上司も同僚も、絶対に大丈夫!という将来の保証などしてくれません。
様々なことをイメージして、後で後悔すると感じたら転職をオススメします。
転職の罪悪感を緩和させる方法
転職する気持ちが高まっても、やっぱりまだまだ罪悪感がぬぐえない…。
そんな方へ向けて、ここでは転職の罪悪感を緩和させる方法についてご紹介します。
なぜ転職するのかを改めて振り返る
当たり前ですが、意味もなく転職しようとする人はほぼいないでしょう。
転職を考えるということは、何かしらの理由が存在するはずです。
その理由を改めて振り返ることで「やっぱり辞めるべきだ」と思えます。
同時に罪悪感も和らぐでしょう。
強い罪悪感を感じた時は、原点に立ち返ることも大切ですね。
「裏切り」「逃げ」という考えを捨てる
転職することを「裏切り行為」「逃げてるだけ」と考える人もいるでしょう。
もちろんひとつの会社で長く働き続けることは立派です。
「嫌になったからもうやめた」では、どこの会社・世界に行っても通用しないでしょう。
しかし転職する人のほとんどは、自分を限界まで追い詰めています。
「もうこれ以上は耐えられない」という限界ギリギリのところまで来ているのです。
もはや「仕事」ではなく「自分の心身を壊す作業」でしょう。
そんな身も心もボロボロの状態になってまで、今の会社に固執する必要はありません。
最大限追い詰められたうえでの転職は、いわば自身の身体・心・人生を守る行為です。
「裏切りでも逃げでもない」と前向きに考えましょう。
引き継ぎをしっかり行う
社員への引き継ぎをしっかり行うことでも、罪悪感がだいぶ和らぎます。
・マニュアル作成
・ポイントをメモ書き
・トラブル対処法のまとめ
など、残された人が困らないようにしておきましょう。
退職により多少の負担・迷惑を掛けてしまうのは仕方ないことです。
しかし最大限の配慮が感じられれば、相手も気持ちよく送り出すことができるでしょう。
退職するその日まで、相手の立場に立ってできるかぎりのことをしてくださいね。
きちんとした伝え方で円満退職する
転職を決めたら、会社に転職する旨を伝えましょう。
しかし突然の辞職願いは、会社に大きな迷惑を掛けてしまいます。
会社側が不快に感じるのはもちろん、迷惑を掛けることで自分自身もより罪悪感が強くなるでしょう。
退職の旨を伝えるベストなタイミングは1ヶ月前です。
引き継ぎや代わりの人材探しなど、諸々を考慮するとこのくらいがベストと言えます。
どうしてももう少し早めが希望なら、2週間前でも良いでしょう。
「明日で辞めさせていただきます」「来週から別の会社に移ります」なんて伝え方はNGです。
余裕をもってきちんと伝え円満退職することで、相手も助かりますし自分の罪悪感も緩和されますよ。
転職に対する罪悪感自体は悪いことではない!
転職に対して罪悪感を感じると、なかなか前に進めないのは事実です。
ただ、転職に罪悪感を感じる気持ち自体は悪いものではありません。
・慎重に物事を考えられる
・相手への配慮がある
この2つがあると、転職に罪悪感を感じやすくなるからです。
慎重に考えられて、相手への配慮もある優しい人。
これって人間としてはもちろん、社会人としても素晴らしいと思いませんか?
ネット上でも同様の意見が見受けられます。
優しい人が生きにくいっていうのは、つまり「その場から動けない」ってことなんやろうね。
辛くて苦しい職場でもお世話になった先輩だったり親友が一人でもいると「裏切っちゃダメだよな」って罪悪感に阻まれて転職することをどまってしまう。
仕事辞めても誰も裏切られたなんて思わないのに。— わんp (@TeensBRAIN0707) July 19, 2020
通りすがりです…転職は決して悪い事ではないです。それでも罪悪感を何故か感じるとしたら、優しい性格だからですよ。みんな悩むんだなあと、Twitter見てて思います。
— 奥田シゲル | 仕事の絵本作家 |||/ (@09uDa4) March 18, 2019
先述の通り、確かに「罪悪感」は前進を阻む要素です。
しかし慎重で優しい人柄の人材は、新しい会社でもきっと重宝されるでしょう。
「罪悪感を感じることは悪いことではない」
「むしろそこが自分の長所だ!」
と考えつつ、前向きに転職活動を進めてくださいね。
転職を決断したら「自分の気持ち」を大切にしよう
転職を決断したら、ひとまず自分の気持ち・覚悟を大切にしましょう。
転職という人生の一大決心を貫くのなら、自分を主体として考えることも大きなポイントです。
そして転職を成功させるためには、数多くいるライバルと差をつけなければなりません。
企業がどんな人材を欲しているのか?そしてどんな理念を持っているのか?
会社の雰囲気・内情など、あらゆる情報を認識することが強みになるでしょう。
しかしネットなどでちょこっと調べる程度では限界があります。
自分だけでは知り得ない有益な情報を得て転職に挑みたいなら、転職エージェントの利用がオススメです。
転職エージェントを使うと、企業の内情など、通常ではわからない情報を教えてもらうことができます。
さらに
・どうすれば書類選考に通るか
・どんな自己PRをすれば面接官に刺さるか
など、具体的な作戦も考えてくれるのです。
非公開求人も多いため、相性の良い会社に出会いやすいところも嬉しいですね。
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まとめ
転職の際に罪悪感を感じてしまうのは仕方ないと言えます。
しかし罪悪感に駆られて行動しないままでは、いつまで経っても何も変わりません。
できるかぎりの配慮をして円満退職すれば、相手も気持ち良く送り出せますし自身も清々しい気持ちでスタートが切れます。
転職は決して裏切りではないので、ぜひ自分の気持ちに素直になってみてくださいね。