「給与を上げたい」「残業を減らしたい」「人間関係を良くしたい」といった就業環境の改善。
「スキルアップを図りたい」「もっとやりがいが欲しい」といった更なるキャリアアップを図りたいなどの様々な理由から、一度は転職を検討したことがある方も多いと思います。
今の会社に入社して早数年、それなりに仕事をこなしてきた。
しかしとある理由から今の会社を辞めることを決意し、転職することに決めた。
さぁ、いざ理想の会社を求めて転職活動に足を踏み入れてみたものの・・・書類選考で落ち、面接で落ち、気づけばどこからも内定をもらうことができず月日だけが経っている、なんてことありませんか?
いわゆる、不採用続きによる「転職活動の長期化」によって、モチベーションが下がり、自分に自信を失くしてしまっている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、なかなか転職活動がうまくいかずに思い悩んでいる、自分の転職活動のどこが悪いのか分からない、転職成功のポイントが知りたい、といった方向けに、転職がうまくいかない原因と対策方法をお伝えします。
今一度ご自身の転職活動を振り返るきっかけとなれば幸いです。
転職活動が長期化してしまうとどうなる?
終身雇用制度が崩壊した今、1度や2度の転職はもはや珍しくありません。
人によっては理想の働き方を求めて3~4回の転職を繰り返している方も当たり前に存在します。
日本はこれまで転職回数が少ない方が美徳とされてきました。
それは、転職しない=真面目そう、頑張ってくれそう、辛抱強そうというイメージが日本人の価値観にマッチしてきたからですが、もうそんな時代ではないですよね。
転職活動は、新卒時の就職活動のように、面接~内定時期のある程度決まったスケジュールがなく、合同説明会や会社説明会の機会も圧倒的に少ないため、自身で情報収集し、いかに動くかが重要になります。
即戦力として活躍できる人材を求められているというのも新卒時との大きな違いです。
転職を決意し、次の職場が決まるまでの活動期間は、一般的に3~6ヶ月以内が目安と言われています。
活動が半年以上に渡る場合、転職エージェントによっては個別の求職者支援サービスを打ち切るところもあるのです。
転職活動が長期化してしまっている(=うまくいっていない)原因は様々なところにあります。
履歴書や職務経歴書はしっかり書けていますか?面接対策はしていますか?
「しっかりできているはずなのに、なかなか選考が通らない!」という方は、次のポイントをチェックしてみましょう。
転職活動がうまくいかない原因
なかなか転職活動がうまくいかないという方は、ご自身が下記のポイントに当てはまっていないかチェックしてみてください。
就業条件を高望みしている
受ける会社は大企業ばかりだったり、希望年収を高額に設定したりしていませんか?
前職を辞めた理由が後ろ向き
面接では必ず聞かれる質問ですが、後ろ向きの理由だけを述べていませんか?
「資格を持っているから有利」という考えが頭にある
資格に甘んじて、企業研究を疎かにしていませんか?
未経験の業界や職種ばかり受けていませんか?
うまくいかない原因の対策方法
就業条件は今と同等程度、もしくはバランスを考えた内容にする
せっかく転職するのだから、大企業にチャレンジしてみたい、大幅に年収額をアップさせたい、と思う気持ちは分かります。
問題は、「ご自身にとってチャレンジ要素の強いところばかり受けていませんか?」ということです。
大企業であれば、新卒で入社したプロパー社員を大事にする傾向があるため、自ずと中途社員に求める経験やスキルは高く、また名のしれた会社は競争率も高くなります。
また年収額の大幅アップを求めるのであれば、前職でそれなりの業績を上げ、転職先にも同じような利益をもたらせることをアピールできなくてはなりません。
いずれにしろ、チャレンジ要素が強い=選考基準が高くなる=採用率が低くなる、ということが言えます。
大企業ばかり受けている方は中小企業にも目を向け、年収アップを狙っている方はご自身がアピールできる実績に基づいた適切な希望給与を設定するようにしましょう。
前職を辞めた理由は前向きな内容にする
退職理由は、在職中の方であればほぼ100%聞かれる質問ですが、採用してもすぐに辞めないかどうか、企業に合うかどうかを判断するために聞かれます。
例え前職に不満を持って辞める場合でも、それを転職先に正直に伝えてしまっては、新しい職場でイキイキと働いて活躍するイメージを持ってもらうことは難しく、また同じような理由で辞めてしまうのではないか?と懸念されることでしょう。
正直に伝えることはもちろん大切ですが、マイナスな印象で終わらないように、「転職先でやりたいことがあった」「もっとキャリアアップしたいと思った」などの志望動機につなげて、前向きな印象を与えながら話すようにしましょう。
資格以上に業務経験や成果が物を言うのが転職
たとえ有利な資格を持っていたとしても、その資格をこれまでの業務で活用し、さらには転職先でも活かせると思ってもらわないとあまり意味がありません。
下記は、転職者の待遇を決める際に最も重視した要素を会社側にヒアリングしたデータです。
参照 厚生労働省「平成27年転職者実態調査の概況」より一部抜粋
これまでの経験・能力・知識を採用の決定項目に挙げている企業は全体の53,8%です。
これを見て分かるように、資格よりも圧倒的に経験を重視する傾向にあります。
資格を持っているからといって過度な自信を持たずに、しっかり企業研究や面接対策を行いましょう。
業種か職種のどちらかは前職と同じにした方が良い
例えば前職が「IT業界の営業職」であった場合、全く別業界の別職種へ転職するのは大変難しいと言えるでしょう。
なぜならこれまでもお伝えしてきたように、中途採用では即戦力で活躍できる人材が求められているので、これまでの業務経験やスキルが重要な選考のポイントとなるからです。
書類選考や面接がなかなか通らないという方は、業界か職種のどちらかは前職と同じものにするのがベストです。
同じ業界であれば業界知識を持っている、同じ職種であればやり方のイロハを知っていると見なされ、選考がスムーズに進むようになるかもしれません。
転職のモチベーションが下がってしまった時の対処法
転職がうまくいかない原因と対策方法が分かっても、活動期間の長期化によってモチベーションが下がってしまい、なかなか行動に移せない方もいると思います。
そんな方におすすめするのが今の転職のやり方を変えること。
転職エージェントを使っている方はエージェント会社を変えてみる、エージェントではなく求人サイトを使ってみる、スカウトメールを試しに受けてみる、希望の転職先にホームページから直接応募してみる、など、転職先を探す方法はいくらでもあります。
また、一度思い切って転職活動から離れて頭をスッキリさせ、気分転換することも大切です。
一旦転職から距離を置くことで、自分が本当にやりたいことや求めているものの存在に気が付き、また転職活動への意欲が湧いてくるかもしれません。
モチベーションが下がってしまった場合は、焦らずに、自分自身を見つめ直す良い機会だと思って、また行動に移したくなるタイミングを待つのも一つの手です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
冒頭でお伝えした転職活動期間の目安「3~6ヶ月以内」は、あくまで平均的なもの。
1年以上かかって転職に成功したケースもありますし、いくら時間がかかっても自分が希望する会社に転職できたのならその方が良いですよね。
転職先が決まるまでのスピ-ドは、求職者の年齢や経験値、求める職場によって違います。
たとえ今が長期化してしまっていても、あまり頭を煮詰めず、理想な会社に出会える日を目指して自分のペースでゆっくり進めていきましょう。