今の会社にいても年収は上がらない、生活の質を上げたい等の要因から年収アップを目指し、転職を考えている人は多いのではないでしょうか?
確かに転職をすることは給与体系が大きく変わる為、大幅な年収アップに繋がる人もいるでしょう。
しかし、転職した人全員が年収アップ出来るとは限りません。
事実、転職市場では年収ダウンする割合の方が多いと言われています。
今回は転職で年収を上げたいと考えている人に現在の転職市場を踏まえ、おすすめの転職方法や業界について紹介していきたいと思います。
転職して給料アップする割合
まずは転職を考えている多くの人が最も気になるであろう「転職で年収は上がるの?下がるの?」という疑問について検証していきます。
【転職者の労働条件の変化】
全体 :40.4% (男性:38.0%、女性43.6%)
20~24歳 :43.6%
25~29歳 :47.1%
30~34歳 :43.4%
35~39歳 :43.3%
40~44歳 :43.7%
45~49歳 :36.2%
50~54歳 :33.9%
55~59歳 :28.4%
※データ元:厚生労働省 平成27年度転職者実態調査概要
上記の通り、年収アップが実現している人は全体の半分以下の40、4%となっています。
勿論、転職において年収よりも労働環境ややりたい仕事を重要視している人等、様々な人がいるかと思いますので、この数字だけで一概に判断することは難しいでしょう。
また若い人が年収アップし、年齢が上がるにつれ年収がダウンしている傾向が見られます。
いくら経験者でも新しい会社で働く新人に前の会社同様の高い報酬を払うことは難しいでしょう。
その為、企業によってはどんなに実績や経験があっても年齢による年収限度額を設けている会社も多く、そのような背景から年齢層の高い転職者の年収ダウンに繋がっていると言えます。
いくら上がるのか?増加率はどれくらい?
上記にておよそ4割の人が年収が上がっていると紹介しましたが、増加率はどれくらいなのでしょうか。
大手転職サイトDODAの統計によれば、平均年収アップ額は56.7万円。
アップ率としては、知識、経験、そして将来性のある20代後半が14%と最も高いですが、金額で見れば、45歳が平均70万円アップと年齢に比例しています。
先ほど、年齢が高くなればなる程、年収はダウンする割合が多いと紹介してきましたが、年齢が上がっていけばいく程、企業として高いスキルや経験を求め、会社の利益となる即戦力については好条件を掲示していると言えるでしょう。
上がる時ばかりではない、下がる時もある
転職することで年収が下がることもあります。
具体的にどのような理由から転職で年収ダウンになるか下記にて紹介していきます。
未経験者の転職
業界未経験で転職した場合は、年収が下がることが予想されます。
未経験者とは言ってみれば、新卒同様です。
例え年齢が高く、社会経験が豊富だとしても会社の戦力になる為には、業界知識やスキルを身に付けるまでに時間がかかり企業としても好条件を掲示し難い傾向があります。
勿論、会社によって給与体系は異なりますので、前の会社より未経験者でも年収アップすることはありますが、全体的に見た際ではやはり、前の会社の年収を下回っていることが多いようです。
労働環境の重視
年収よりも労働環境を重要視している人は年収が下がる傾向があります。
私も転職で大きく年収が下がった1人です。
元が総合商社ということで高年収でしたが、長く働いていける環境を求め、ワークライフバランスを重要視したことで、100万近い年収ダウンの結果となりました。
元が高給な会社にいる人のほとんどは年収をダウンさせることになります。
人それぞれ価値観や求める環境は異なりますので、一概に年収ダウンが悪いとは言い切れないでしょう。
年収をアップさせる転職方法
年収を上げる為には、自己分析と自助努力が必ず必要になります。
具体的な方法について下記にて紹介します。
自己分析
まずは自分のキャリアを見つめ直すことが必要です。
ただお金がいっぱい貰える会社で働きたいという曖昧で不明確な理由では、まず年収アップは勿論、転職すら難しいでしょう。
高い年収が欲しいのであれば、高いパフォーマンスを求められます。
会社であなたが何が出来るか、会社にどのようなメリットがあるかについてしっかりと自己分析を行い、アピールすることで年収アップに繋がる可能性が高まります。
企業研究
年収を上げたいのあれば、会社選びをする為の企業研究は欠かせません
やみくもに企業を受けていても年収を上げることは難しいでしょう。
企業によっては求人票の中で「25歳〇万円、30歳〇万円、35歳〇万円」等の年収モデルを掲示している場合もあり、そのモデルを一つの指標として応募する企業を絞ることが出来ます。
また企業の口コミサイト等を参考にすることで、給与明細や大体の年収イメージは想定出来るかと思います。
内定後の条件交渉
転職市場では一般的に内定後、条件交渉が行われます。
企業が内定者に対して条件を掲示し、その条件に両者が合意した上で初めて採用となります。
(野球の契約更改をイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います!)
企業としてはまだ働いていない人材に好条件を出すことは少なく、基本的には年齢に応じた条件を掲示されることが多いように見受けられます。
しかし、そこで掲示された条件を鵜呑みにしてしまうと、せっかくの年収アップのチャンスを失うことになります。
経験者であれば、過去の実績や経験をアピールして少しでも年収をあげるように努力することをお勧めします。
しかし、企業情報はあくまでもネットの情報、条件交渉も結構勇気がいるものでなかなか本当に理想の会社を見つける、そして年収アップさせることは大変なことです。
ではどうすれば自分の理想に近づけるのでしょうか?
そこで私がお勧めするのは転職エージェントです。
転職エージェントとは転職希望者に対してキャリアアドバイザーと呼ばれる専属の担当者が希望に沿った求人を紹介してくれる人材紹介サービスです。
キャリアアドバイザーは実際に募集している企業と直接コンタクトを取っている為、残業時間や有休消化率、年収等を言った求人票に載っていないリアルな情報も入手することが出来ます。
その点は転職希望者にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
またキャリアアドバイザーは求人紹介以外にもキャリアの相談や面接スケジュールの調整、面接のコツ等の細かい部分についてもフォローしてくれます。
上記で紹介した条件交渉においても「企業対キャリアドバイザー」で行ってくれる為、希望条件と妥協点を明確にしてキャリアドバイザーに任せることが出来る為、転職においては非常に心強い存在となるはずです。
転職エージェントは、就業中でも登録出来るサービスの為、もし転職を考えているのであれば一度キャリアドバイザーにキャリアの相談をしてみることをお勧めします。
給料が高いおすすめの業界
年収を上げる一つの方法として業界を絞ることも一つの手段と言えます。
ここでは平均年収が高い業界について紹介していきます。
【業界別40歳平均年収ランキング】
1位:総合商社 1,129万円
2位:コンサル 1,063万円
3位:メガバンク 1,004万円
4位:生保・損保 948万円
5位:放送・新聞 893万円
6位:通信キャリア 859万円
7位:石油 859万円
8位:医薬品 836万円
9位:プラント 784万円
10位:映画・アニメ・音楽 764万円
確かにこれらの業界は年収が高いイメージを持っていた人も多いのではないでしょうか。
これらの業界は「インセンティブ」制度を導入しており、成果を上げれば若くても高い報酬を得ることが出来る会社が多く並んでいます。
確かに私自身も7大商社出身で、成果を残した年は20代前半にも関わらずボーナスが3桁と報酬面については非常に魅力的でしたが、劣悪な労働環境から転職を決意しました。
過酷な労働環境やノルマ等も厳しいことでも有名な業界ばかりではありますが、成果を出せば多くの年収を得ることが出来ます。
本当に年収をアップさせたい!結果を数字として反映させてほしい!という強い想いがある人は是非上記の10業界を視野に入れて転職活動することをお勧めします。
まとめ
今回は「転職と年収」について実際のデータを元に詳しく紹介してきました。
転職で前の会社と全く同じ年収になることはまずないでしょう。
年収アップかダウンか。その二択になります。
転職は環境を大きく変える手段です。
もしあなたが本気で年収アップを望んでいるのであれば、転職は大変お勧め出来ます。
しかし、全体の4割しか年収アップは出来ない現在の転職市場の中で、あなたが年収アップする為にどのようにアピールするか、魅力ある人間となれるかが非常に重要なポイントとなります。
今回紹介した自己分析と自助努力を欠かさず、転職活動に励んでもらいたいと思います。