転職において、いつ動くべきかは非常に重要なポイントです。
中途市場は新卒のように一斉に求人を出す訳ではない為、転職自体はどのタイミングでも活動することは可能です。
しかし、やはり転職が有利になる時期、難しい時期というのは存在します。
求人が多く、ライバルが少ない時期は内定に繋がりやすく、どんなに優秀な人でも、求人が少なく、ライバルが多い時期では内定が取れないなんてこともよくある話です。
今回は転職を決意したものの、いつから動くか悩んでいる人に対して、転職のベストタイミングについて紹介していきます。
求人の多い時期とその理由
新卒の採用活動の解禁は現在6月となっており、夏場にかけて一気に求人件数が集中します。
年中求人がある中途市場ですが、実際どれほど求人件数に差が出るのでしょうか。
まずは下記データを紹介します。
※データ元:公益社団法人全国求人情報協会 求人広告掲載件数
上記のデータによると、10月と2月が最も求人が多い時期となっていることが分かります。
10月は半期の区切りとなる時期である為、人事異動や退職者が多い為、人が動く時期と言われています。
その為、企業としては「人員不足の補充」という点で求人件数は増える傾向が強くなります。
また2月は企業の年度始めの4月に向けた求人となります。
企業の新体制への人員増加、そして新卒と共に入社タイミングを合わせることで、人事としてもとりまとめやすい利点がある為、求人が増えているようです。
このように年中募集のある転職市場でも求人件数の多い10月と最も少ない12月では30万件程の差がある為、転職を考えるにあたって決して無視出来ないポイントということについては理解頂けたかと思います。
転職希望者の多い時期とその理由
転職は新卒とは異なり、内定人数が少ない為、なるべくライバルが多い時期の転職活動は避けたいと考える人も多いでしょう。
ここでは転職希望者の推移についてデータを元に見ていきます。
※データ元:総務省 労働力調査
上記データの通り、3月、9月という半期を区切りにしている傾向が見受けられ、特に1月~3月は、やはり4月入社を目指している人が多いのでしょう。
また転職希望者の最も多い9月と2月はボーナス支給日から2ヶ月ということで退職を決断しやすい時期の一つの要因になっていると考えられます。
この数字についても転職希望者は3月と4月で100万人変わるので、内定には大きく影響することが理解できるかと思います。
お勧めの時期は8月と12月
ここでは上記のデータを元に、ベストな転職時期を紹介していきます。
私がお勧めするのは8月と12月です。
この時期というのは、転職希望者が1年の中でも比較的少ない時期である為、ライバルとぶつかりにくく、未経験者でも内定に繋がりやすい時期と言われています。
その最大の特徴は「長期休暇」です。
8月はお盆、12月は正月休みが入る月である為、転職を考えていても休暇を満喫している人が多く、転職希望人数が激減します。
企業によっては長期休暇を利用して、有望な人材を求めているケースもある為、内定が取りやすくなる傾向が見受けられる。
また8月は暑く、12月は寒いという季節的な要因から転職希望者の動きが鈍ること、そして賞与支給時期ということでこの時期の転職は避けたがることも要因と言われています。
転職はどんなにあなたが魅力的な人間であったとしても、応募人数が多くなればなる分、転職の可能性は低くなります。
しっかりとライバルが少ない時期を見極めて、効率の良い転職活動を行ってもらいたいと思います。
退職スケジュールを考慮する注意点
上述にて転職のお勧め時期を紹介してきましたが、今が転職のベストタイミングだから明日会社辞めますなんてことはあまりにも身勝手です。
会社への負担を極力抑えることは転職する人として最低限のマナーであることは覚えておきましょう。
ここでは会社を辞めるタイミングについて紹介していきます。
繁忙期の退職は避ける
まず「繁忙期の退職」は避けましょう。
繁忙期というのは猫の手も借りたい程、会社は忙しくなります。
その為、仕事が集中する繁忙期では会社を辞めることで、周囲に大きな迷惑がかかります。
比較的仕事が落ち着いている時期に退職することをお勧めします。
早めに退職の意思を伝える
次に「早めに辞意を伝える」ことです。
会社を辞めることで、あなたの担当していた仕事は誰かがやらなければならなくなります。
その為、転職を決意したのであれば、なるべく早く会社に辞めることを伝えましょう。
例えば8月から転職活動を行いたいのであれば、5月には辞意を伝え、6月に引継ぎ、7月に退職という流れを考えておきましょう。
引継ぎが1ヶ月以上かかることもある為、引継資料作成等も早めに行っておくことをお勧めします。
まとめ
今回は転職の時期をテーマに、データを用いながらベストタイミングを紹介してきました。
やみくもに転職活動をして内定を勝ち取れる程、中途採用は甘くはありません。
転職はどんなにあなたが魅力的な人間であったとしても、時期を誤れば応募人数が多くなり、転職の可能性は低くなります。
つまり「時期を制す者は転職を制す」と言っても決して過言ではありません。
しっかりとベストタイミングを狙って、転職成功の道を切り開いていってもらいたいと思います。