学生を卒業し、社会人としてのキャリアをスタートさせたばかりの新入社員。
しかし様々な要因から会社を辞めたい、転職をしたいと考えている人は多いかと思いますが、早期の退職は世間ではあまりイメージが無いということから、グッと堪え無理して働き続けている人も多いのではないでしょうか。
私自身も新入社員の頃は何度も会社を辞めようと考えたことがありましたが、結局決断することが出来なかった一人です。
今回は「転職の早い遅いはあるのか?」「入社早々だが会社を辞めても良いのか?」という点について詳しく紹介していきたいと思います。
転職を考えている新入社員はどれくらい?
新入社員等、会社に入社したばかりの人がどれくらい転職について考えているのでしょうか。
実際に下記のようなデータがあります。
上記は最も新規学卒者の多い大卒の平均離職率を示しており、近年では3割もの人が退職をしていることになります。
また同データには記載されていませんが、同じ調査で中卒は6割以上、高卒、短大卒で4割以上となっており、若い年代の退職は決して珍しいことではないことが分かります。
またここでは実際に辞めた人を表していますが、最初に説明した通り、辞めたいと考えていても踏み切れていない人を想定すれば、全体の半分近い水準の人が退職検討をしていると考えても良いのではないでしょうか。
なぜ入社してすぐ辞めたくなるのか?
ではなぜ入社したばかりで多くの人が辞めたくなるのでしょうか。
その理由は入社前後ギャップにあります。
今までと違う人間関係
まずは人間関係。
学生の頃は、周囲はほとんど同年代で仲の良い友達が中心の人間関係が多かったと思いますが、社会に出れば、様々な年代の人、苦手な人とも付き合っていかなければなりません。
またパワハラ、セクハラ等の人間関係要因で退職を考えている人も少なくないでしょう。
仕事内容
次に仕事内容。
社会経験の無い、新規学卒の社員にとっては理想と現実のギャップが大きいことかと思います。
特に新入社員の初めの頃は、基本的な業務や雑務等も多く、そのような要因から仕事内容に対して嫌気が指し、会社を辞めたいと思っている人も多いです。
思っていた労働条件との違い
最後に労働条件。
給料が少ない、残業が多い、休日が少ない等の労働条件が要因で会社を辞めたくなる人も多いようです。
社会経験のある人であれば、多少は目を瞑ることが出来る部分があるかと思いますが、学生上がりの新規学卒者にとっては大きなギャップに感じてしまう傾向があるかと思います。
無理して会社を続ける必要はない!
「石の上にも三年」。新卒の人は一度は聞いたことがあるかと思います。
しかし、3年以内でも無理に働き続ける必要は決してありません。
私自身の経験ですが、前職の総合商社時代、月に100時間を超える残業、休日出勤が常態化しており、非常に心身共にストレスフルに仕事をしていました。
このような労働環境であるが故、多くの同期が体調不良や鬱病で会社を辞めていきました。
無理して働き続け病を患ってしまえば、転職するまでにどうしても時間がかかってしまいます。
そして休職期間が長くなれば、転職が難しくなってしまいます。
確かに新卒から3年という期間は社会経験、仕事を学ぶ上で重要な時間であることは間違いありません。
しかし、ここまで紹介してきた通り「絶対に続けなければならない」訳ではないので、しっかりと現状を把握した上で早めの転職を考えてもよいのではないでしょうか。
現在の転職市場の状況と転職の可能性
早々に会社を辞めて転職が決まるのかという不安も多いかと思います。
ここでは現在の転職市場について紹介していきます。
基本的に転職、つまり中途採用は「即戦力」を求める傾向があると言われています。
その為、一般的には若い年代は転職市場では非常に厳しい立場と思っている人も多いでしょう。
しかし、近年の転職市場は一昔前とは大きく異なっています。
「第二新卒」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
第二新卒とは新卒から3年以内の転職希望者の事を指し、社会経験、マナーを一通り心得ている、一度挫折を味わっている若い人材という点で近年、転職市場で非常に人気があります。
また近年の人材不足が後押しとなり、新卒早々に会社を辞めた人でも転職しやすい環境にあるので、「転職出来るのか?」という不安は解消出来るかと思います。
早めの転職のコツ
早めの転職を決断したのであれば、転職の準備はしておく必要があります。
上記で、現在の転職市場の状況を説明してきましたが、いくら市場価値の高い第二新卒と言えど、簡単に転職出来る程、甘い世界ではありません。
下記2つの質問は必ず聞かれますので、確実に押さえておいてもらいたいと思います。
①なぜそんなに早く辞めたのか?
これは第二新卒で転職希望者に必ず聞かれる質問です。
転職が決まらない人のほとんどが「前の会社の給料が低かった」、「人間関係が良くなかった」等の愚痴を話しています。
どんなに前の会社に不満を持っていたとしても、早々に退職したことについて「忍耐力が無かった」等と自分の非を伝えることが転職成功のコツになります。
その答えを聞くことで人事担当者も「次はしっかりと粘り強く働いてくれる」と安心することが出来るのです。
②次の会社ではどのように働きたいか?
社会経験も少ない早期転職希望者に対する目標を確認する意図があり、何となくで選考に臨んでいないか、この会社でしっかりとやりたいことを言葉に出来るかという点を人事担当者は知りたいのです。
ここでベストな回答をする為には、「自己分析」と「企業研究」を行うことが必要になります。
僅かな社会経験でも自分の強みを転職先でどのように活かしていけるのか、人事担当者としてもあなた自身が転職後の働いているイメージを具現化させることがコツとなります。
この2点の質問は新卒の頃には無かった早期転職希望者ならではの質問となります。
転職活動に入る前に準備しておくことをお勧めします。
まとめ
今回は早期の転職について紹介してきました。
やはり「長く働くことが良いこと」としている文化が染みついた日本では会社を辞めたいと思ってもなかなか辞めれていない人も多かったと思います。
しかし、今回紹介してきた通り、早期の退職は決して珍しいことではなく、転職も決まりやすい環境が整っています。
「働き続ける」という選択肢だけでなく、「転職」という選択肢について理解して頂き、決断の一つのきっかけになって頂ければ大変嬉しく思います。