現在フリーターや派遣社員として会社に勤めている人の中で、将来のことを考え、報酬や雇用が安定している正社員を目指している人はかなり多いかと思います。
私もやはりフリーターよりは正社員の方がメリットが多いと思っているので、これから正社員を目指している人は是非頑張ってもらいたいと思っています。
しかし、現在の日本の転職市場の中ではフリーターや派遣社員等の非正規社員から正社員に転職することは非常に難しいということについては理解しておかなければなりません。
今回は正社員を目指している人に対して、正社員になることの難しさ、またその難しい環境の中で正社員になる為の方法について紹介していきます。
非正規社員割合について
「実際どれくらいの人数がフリーターや派遣社員等の非正規雇用なの?」
恐らく多くの人が気になっている点だと思います。
厚生労働省のデータを元に詳しく見ていきましょう。
平成19年度:1,735万人(労働者全体の33.5%)
平成24年度:1,816万人(労働者全体の35.2%)
平成29年度:2,036万人(労働者全体の37.3%)
※データ元:厚生労働省 非正規雇用の現状と課題
年々非正規雇用労働者の数は増えてきており、全体4割近い数字を占めています。
企業としても一定の期間、適当で必要な人材を確保出来る点に大きなメリットを感じ、多くの会社が派遣社員の雇用に積極的になり、派遣専門の就活サイトも需要が高くなっています。
しかし、一言に「非正規雇用労働者」と言っても様々な人がいます。
例えば、社会に拘束されないことにメリットを感じ、自ら好んでフリーターを選んでいる人、近年の少子高齢化社会による定年退職者の再雇用の割合増加等が挙げられます。
ここで注目してもらいたいのは、「正社員として働きたいと思っているけど実際には働けていない人」の割合についてです。
平成30年度の総務省統計局の最新データによれば男性で20.9%、女性で9.3%となっています。
つまり10人に1~2人は働きたくても仕事がないということになり、この数字が正社員への転職が難しさが露骨に表れていると言えるでしょう。
※データ元:総務省統計局 平成30年労働力調査
では具体的に何が原因で正社員への転職が難しいかという点ついて下記項目で詳しく紹介しています。
正社員への転職が難しい原因
ここでは正社員に転職することが難しい具体的な理由についていくつかピックアップして紹介していきたいと思います。
企業の求める人材でない
まず第一に、企業の求める人材ではない事が挙げられます。
中途採用で企業が求めているものは、「即戦力」と「知識・経験」になります。
つまり、企業にとってはすぐにでも会社で活躍し、成果を出せる人間を求めている訳です。
その為、転職希望者に求められるスキルや条件は厳しくなり、未経験者のフリーターではなかなか内定を手に入れることは難しい環境となってしまっています。
新卒至上主義
次に非正規雇用労働者が苦労するのが、「新卒至上主義」という文化でしょう。
「新卒至上主義」とはその名の通り、企業が採用活動を行う際、新卒ブランドを重宝し、学生の採用に力を入れていることを意味しています。
勿論、研修を一度にまとめて行うことが出来る点や中途社員より給料が低く、コストを抑えられる等のメリットがありますが、「まっさらな人間を育て、生え抜きを増やすこと」に対する拘りが強いことが日本の就活の特徴と言えるでしょう。
この文化が非正規雇用労働者が正社員への壁になってしまっているのです。
転職しやすい人の特徴
次に非正規雇用労働者の中で転職出来る人の特徴について見ていきましょう。
実際にフリーターから正社員になれた人も沢山います。
そのポイントを押さえておくことで、今後の転職活動の結果が左右される可能性が高い為、しっかりとチェックしておきましょう。
粘り強く転職活動をしている
まず一番大切なことは転職活動を諦めずに粘り強く続けることでしょう。
ここまで紹介してきたように、正社員への転職は非常に厳しい現実があります。
何社落とされても、「正社員になる。」と強い意志を持ち、高いモチベーションの中で頑張り続けることが転職成功の一番の秘訣でしょう。
また、転職活動を続けていくことで、フリーターに多い面接での緊張にも慣れてくるかと思います。
やる気や熱意が感じられる
面接官から見て「正社員になりたい!」という意欲や想いがひしひしと伝わる人が転職出来やすいことも事実です。
やはり面接官も「人」ですので、やる気や熱意がある人を雇いたい気持ちは必ずあります。
「未経験だけど、将来活躍出来そう。」と思わせることは面接では非常に重要です。
面接最後の一言の場を使って、企業、そして正社員への想いを伝えてみましょう。
特別なスキルを持っている
例え非正規雇用労働者であっても、「語学」や「パソコンスキル」、「資格」等を持っている人は転職出来る確率が高いです。
例え何もスキルが無かったとしても、「コミュニケーション能力」や「積極性」等の自分の強みについて自己分析をしておいた方が良いでしょう。
逆に自分の強みを答えられない人は、面接官としても魅力を感じないので、大きな減点対象になってしまうので注意が必要です。
会社選びが出来ている
上述で中途採用の難しさについて紹介した通り、非正規雇用労働者の転職は非常に厳しい環境にある為、やみくもに転職活動を行っていても内定には繋がりません。
転職を成功出来る人は未経験者歓迎の仕事やライバルが少ない業界に狙いを絞って会社選びが出来ている傾向があります。
しかし「実際にどのような会社が良いか分からない。」という人も多いかと思いますので、下記項目でお勧めする職業を紹介していきます。
お勧めの仕事、職業
ここでは正社員を目指している人にお勧め出来る仕事を紹介していきます。
例えば専門スキルよりもヒューマンスキルを必要とされる営業職や人材不足で悩んでいる土木建築業界の仕事は比較的入社しやすい仕事と言われています。
他にも探せば色々な仕事がありますが、私が特にお勧めする職業はずばり「介護職」です。
一昔前までは、「介護業界=ブラック企業」というイメージが非常に強かった業界ですが、近年は日本の成長産業として政府も様々な政策に乗り出しています。
特に2019年10月から消費税率10%の引き上げによって想定される増収5兆円のうち2兆円を教育や介護福祉に充てるという発表から期待度の高さを伺えます。
他業界同等レベルの賃上げや外国人の雇用、介護ロボット導入による労働時間の短縮等により近年、目に見える形で労働環境は改善されつつあり、今後も間違いなく働きやすい環境に進んでいく業界と言っても過言ではありません。
また現状介護業界は人手不足の為、比較的入社しやすく、未経験未資格の人でも働きながら、介護キャリアをスタートさせる為の「介護職員初任者研修」という資格を取らせてくれる会社も多いです。
そこから様々な資格を取得することで、重宝される人材、キャリアアップの選択肢も広がります。
やはり成長見込みのある専門業界で手に職をつけることは大きな強みになるでしょう。
是非一つの参考意見として頭の片隅に置いておいて頂きたいと思います。
まとめ
今回は現在フリーターや派遣社員として働いているが、正社員を目指している人に対して転職の難しさと転職を成功させる方法について紹介してきました。
厳しい現実を中心に説明してきましたが、アベノミクスによる雇用の増加によって、非正規雇用労働者も正社員になりやすい環境が今後整っていくことが予想されます。
今回の記事が、正社員を目指している全ての人の一つの参考、そして一つの道しるべとなってもらえたら大変嬉しく思っています。