脱出したくても脱出できない、今のままでは未来が見えない…。
世の中には、そんな引きこもりに悩む人々が数多く存在します。
「外へ出たい」と思っているのに最初の一歩がなかなか踏み出せない、これはとても苦しいものですよね。
では、引きこもりから脱出するにはどうすればいいのでしょうか?
引きこもりになる原因
人にはそれぞれ、様々な生き方・価値観・考え方があるものです。
そのため引きこもりになる原因も皆異なると言えるでしょう。
そこでここでは、引きこもりになる原因をいくつかまとめてみます。
人間関係がうまくいかない
引きこもりのキッカケとして多く挙げられるのが人間関係です。
職場での人間関係がうまくいかないと、どうしても会社に行くことが憂鬱になりがち。
「周囲となじめず浮いてしまう」「ウマの合わない人ばかり」など、人間関係の悪さは悩みの種になりやすいです。
そしてその悩みがどんどん大きく深くなると、人と接すること自体が嫌になり、会社はおろか外にも出たくなくなるのです。
就職活動に失敗
学生時代から優等生だったのに、いざ就職活動に挑んだら、どこもかしこもまさかの不採用…。
こうしたケースも引きこもりを誘発しやすいと言えます。
特に「学生時代から優秀だった」という点がポイントです。
以前の状態と今の状態との間に強いギャップが生じるため、なおさら挫折感が大きくなるのです。
また真面目であればあるほど、より悲観的になってしまう傾向がありますね。
職場でのいじめ
せっかく仕事を頑張ろうとしても、職場でいじめに遭う日々が続くと士気が下がるものでしょう。
いじめが治まるよう様々な対処を試みても、全く効き目が無かったらお手上げですよね。
またこうしたイジメ問題を周りに相談すると、大抵の場合「頑張れ」「耐えろ」と言われてオシマイです。
本人からすれば「これ以上どこまで頑張り耐え続ければいいんだ?」といったところでしょう。
そんな絶望的な状況に陥った結果、引きこもりになってしまうケースも多々あるのです。
中には、何の落ち度もないのに「自分が悪いんだ」と思いつめてしまう人もいます。
こうした自らを責めてしまうタイプだと、なおさら引きこもりやすいと言えますね。
ゲームやネットにどっぷり依存
ゲームやネットが原因で引きこもりになる人も少なくありません。
もちろん趣味や娯楽の範疇で楽しむ分には問題ないでしょう。
働きながらやゲームやネットで息抜きしている人はいくらでもいます。
しかし、どっぷりハマッて依存状態になると危険です。
「このまま家でずっとゲームやネットをしていたい…」
そんな気持ちになることで、段々と欠勤が多くなり、最後は引きこもり状態となってしまうのです。
何もかもに疲れてしまった
引きこもり=だらしないダメ人間、と思う人もいるかもしれません。
ところが引きこもりになる人の中には、真面目で責任感が強いタイプも多いのです。
やはり真面目できちんとした人は、必要以上に頑張り過ぎるところがありますからね。
そして頑張り過ぎた結果、突如プツッと糸が切れ、一気に無気力な状態へと陥ってしまうのです。
また真面目であるがゆえ、会社で起きる理不尽な事柄に対し、深く悩む傾向もあります。
仕事や生きることなど、何もかもに疲れてしまった…。
そんな状態になると、外界との関わりを断ちたくなるものです。
うつ病の発症
仕事の悩みや職場でのプレッシャーなど、日々のストレスによってうつ病を患うケースがあります。
そしてうつ病にかかると、部屋から出ることがとても億劫になりがちです。
こうなると仕事はもちろん、出掛けることすらままなりません。
外に出て楽しむという気力が一切わいてこない…と言えるでしょう。
そのためうつ病によって引きこもりになる人もたくさんいます。
引きこもりの脱出方法
引きこもりから抜け出す方法は様々です。
引きこもりになった原因、そして自分の性格・気質などを考慮し、焦らずゆっくり脱出を図ってみましょう。
そこでここでは、引きこもり脱出方法をいくつかご紹介します。
まずは否定せずに受け入れる
引きこもりになると、つい自分を否定しがちになります。
働くこともしなければ外に出ることもない…。
そんな自らの生活・生き方に対し、強い劣等感を覚えてしまうのです。
しかし、劣等感や自己嫌悪に苛まれると、物事に対する意欲がさらに失せていきます。
否定をし続けることで、ますます引きこもりの波に呑まれてしまうと言えるでしょう。
そのためまずは、今の自分を否定せず受け入れてあげてください。
極端な話、「こんな自分だって良いじゃない」くらい思うのもアリです。
開き直るくらいの前向きさを持つことで、外に出ようという気持ちが芽生えるかもしれません。
また「自分にも良いところはある」と、自らの長所を認めてあげることも大切です。
少しずつ外出してみる
引きこもりの状態からいきなり働こうとするのは危険です。
もちろんそのままスムーズに社会復帰できる場合もありますが…。
大抵は、精神的・肉体的負担の強さにより失敗します。
行動するのは素晴らしいことですが、最初から飛ばし過ぎるとうまくいかない可能性大なので要注意。
脱・引きこもりを目的に外へ出るなら、まずは「少しずつ」が基本です!
家の周りや近所のお店など、最初は近場を散歩するところから始めてみましょう。
外出する機会を少しずつ増やし、外の空気に慣れることがポイントです。
気兼ねなく話せる機会を増やす
引きこもりになると、外に出なくなる分、人と話す機会も少なくなります。
また「どうせ『早く働け』『外に出ろ』としか言われないんだろうな」と思うと、会話をすること自体に嫌気がさすものです。
しかし外に出るとなったら、多少なりとも人との関わりは必要になってきます。
そのため周りとのコミュニケーションを取ることも大切です。
家族、あるいは家族以外の信頼できる誰かでもかまいません。
あなたの現状を理解してくれる相手と気兼ねなく話す、そんな時間を少しずつ設けてみてください。
今日食べたものや明日の天気、好きなもののことなど、会話内容はなんだっていいのです。
ちょっとした雑談で少しでも楽しさを感じれば、欝々とした気分も和らぎます。
結果として、徐々に外界および人との関わりに関心が高まっていくでしょう。
カウンセリングを受ける
例えばうつ病など、精神的な病が原因なら、ぜひ一度カウンセリングを受けてみましょう。
もちろん家族や友人など、周囲のフォローも大切です。
しかし病気が原因の場合は、やはりプロに助けてもらうことも必要と言えます。
中には病院へ足を運ぶことに抵抗を感じる人もいるかもしれません。
しかし実際のところ、心の調子を崩し病院へ通う人はたくさんいます。
引きこもりではない、普通の社会生活を営んでいる人ですらカウンセリングを受ける時代です。
風邪を引いた時に診察してもらうのと同じような感覚で、気負わず訪ねてみてください。
支援センターを利用してみる
「引きこもりを脱出したいけど、もはや自分ではどうにもならない…」
そんな時は、ひきこもり地域支援センターに相談してみてはいかがでしょうか?
こちらは厚生労働省が運営するひきこもり支援所で、全国の都道府県に設置されています。
引きこもりに悩む当事者はもちろん、家族など周囲の人からの相談も受け付けているそうです。
支援コーディネーターに相談することで、脱ひきこもりに有効な関係機関を紹介してくれます。
また相談受付の他に情報発信も行っているため、引きこもりに悩む人にとてもオススメです。
誰かに相談することで、気持ちが楽になることもあります。
ましてや国が運営の機関なら安心感もバッチリですしね。
困った時はひとりで悩まず、ぜひ支援センターを活用してみましょう。
厚生労働省支援センター→こちらから
こちらで各地域の場所や連絡先を調べられますので参考にしてみて下さい。
引きこもりもひとつの人生経験
引きこもりというと悪いイメージが先行しがちですが、実はメリットもあります。
それは「自分の時間が自由に使える」という点です。
引きこもりになり会社へ行かなくなると、必然的に自由な時間が増えます。
ここでボーッと過ごしたままだと、ただ時間を持て余しているだけになってしまうものです。
しかし趣味や好きなことなど、自分が興味を持てるものに取り組めば、とても有意義な時間になります。
「会社に行ってたらまず出来ないな」と考えると、引きこもり期間も無駄ではありませんよね。
また仕事に追われてあくせくしない分、ゆっくり思考する時間も増えるでしょう。
自分という人間を見つめ直したり、人生についてじっくり考えたり…。
様々なことを深く考える時間も大切です。
さらにたくさんの本を読むなどすれば、知識や感性も豊かになるでしょう。
いわば自分の過ごし方次第で様々なものが得られるわけです。
こうしてみると、引きこもりもひとつの貴重な人生経験と言えそうですね。
後ろ向きな感情ばかりに支配されず、引きこもりを前向きに捉えること。
これもまた、引きこもり脱出に効果的な方法かもしれません。
他の皆はどうしてる?引きこもり脱出事例
引きこもり脱出のためには、ネガティブになり過ぎないことがとても大切です。
とはいえ、やはり当事者としては不安を感じますよね。
引きこもり状態が続くと、「このまま一生部屋から出られないのかな…」と強い危機感を覚えるでしょう。
しかし世の中には、脱引きこもりに成功した人も多数存在します。
例えばこちら、ツイッター上に寄せられた脱出事例を一部ピックアップしてみました。
そういえばもう20年以上前か。その頃は発達障害も就労支援も無く、私は親元の引きこもりを脱出しようとデータ入力のバイトを始めて(4時間)、そこそこ決まった時間、決まった場所、決まった人に会うことができるようになったという。
— 水の音 (@N4aMl7n) 2019年6月21日
わかりみがすごい。
親から、マンションの権利どうせ長男のお前にあげるし一生引きこもって遊んでていいよ。
って言われた途端7年前に引きこもり脱出して、そこから現在正社員4年目でござる。 https://t.co/XD2hiJ0m5u— R1ホーリー! (@r1you) 2019年6月12日
本当に人間できている方は滅多に言わないか、必ず思わぬ長所と抱き合わせにして言う。
私も中々真似できないけれど、日頃から前述の事を心掛けている。ひきこもる人は、実は良い人間関係に見放されてるんじゃないか?
私も良い人間関係に恵まれて、ひきこもりから少し脱出できた。— megumi (@loveandpearl) 2015年10月20日
決まった時間にバイトをして抜け出すという方法は、シンプルですがなんだかんだで非常に効果的なのでしょう。
「引きこもって遊んでいい」となった途端に脱出、という展開も逆転の発想でアリですね。
また、脱出のためには良い人間関係が大切といった意見も非常に頷けます。
こうして引きこもり脱出事例を見てみると、つくづく「人によってキッカケは様々なんだな」と感じますね。
引きこもり脱出後の生き方について
引きこもりから抜け出したい…という人にとって、引きこもり脱出はとても喜ばしいことでしょう。
しかし実際は、引きこもり克服後も何かと壁にぶち当たることがあります。
例えば、しばらく仕事から離れていると、どうしても他の人よりミスを犯しがちです。
またコミュニケーションなど、対人関係の面でもつい緊張してしまうでしょう。
もちろん難なく仕事をこなし、問題なく溶け込める人もいます。
が、多くの人は、いざ社会に出た時にいろいろな戸惑いを感じてしまうものです。
引きこもり歴が長ければ長いほど、この傾向は強いと言えるでしょう。
そのため引きこもり脱出後は、「自信を持つこと」「恐れないこと」が大切です。
たとえミスをしたって、次から気を付けて挽回すれば良いのです。
もし上手な人付き合いができなくても、仕事をきちんと真面目にやっていれば、それだけで評判は上がります。
何より、「引きこもりを脱出した」という点が大きな進歩ではないでしょうか?
過去は過去、今は今です。
そして未来はこれから新たに作れます。
脱出後に様々な困難があっても、恐れず自信をもって前に進んでくださいね。
まとめ
今回は、引きこもりの原因や脱出方法についてご紹介しました。
今の自分を受け止め、まずはゆっくりのんびりと。
変わりたいという気持ちがあれば、きっといつか道は開けます。
引きこもりもひとつの経験と前向きに考え、焦らず前進していきましょう。